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探査機ジュノー、木星磁気圏で巨大な渦巻く波を発見–太陽風との境界で発生

2023.08.01 11:34

塚本直樹

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 米航空宇宙局(NASA)の木星探査機「Juno」が、木星の地場にて巨大な渦巻く波を観測したことが、7月14日に発行された学術誌「Geophysical Research Letters」に報告された。

出典:UCAR/Zhang, et.al.

 今回のデータは、Junoが木星をフライバイ(接近通過)する際に観測されたデータから判明したものだ。木星の磁場と太陽風の境界には「磁気圏界面」が存在し、そこに巨大な渦巻きの波(渦)が日常的に発生していることがわかった。

 今回見つかったのは「ケルビン・ヘルムホルツ波」と呼ばれるもので、空間内の2つの領域の速度の差が大きいと形成される。ケルビン・ヘルムホルツ波は肉眼では見えないが、Junoはプラズマと磁場を観測することでこれを発見した。

 サウスウエスト研究所のJake Montgomery氏は論文にて、「Junoは多くの軌道でケルビン・ヘルムホルツ波を観測し、その不安定性が太陽風と木星の相互作用において、活発な役割を果たしている証拠を発見した」と述べている。

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Geophysical Research Letters

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