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クルーズ客船「にっぽん丸」に高速ネットサービス–将来的に下り最大30Mbps

2022.04.20 08:00

田中好伸(編集部)

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 商船三井客船が運航するクルーズ客船「にっぽん丸」にスカパーJSATが提供する海洋ブロードバンドサービス「JSATMarine」が3月から導入された。商船三井客船や古野電気(兵庫県西宮市)、スカパーJSATが4月19日に発表した。

 クルーズ客船でのJSATMarineの導入は国内外で初という。今回のJSATMarineの導入は、乗船客のインターネット利用の需要増に伴い、特に日本近海で携帯電話回線の届かない海域での通信速度の向上を目的としている。

 JSATMarineは特に、陸から船への下り回線が非常に高速であるため、例えばインターネット放送や動画の受信など、従来の衛星インターネット接続サービスでは回線速度などの制約上容易にできなかった大容量通信の常時接続や業務用通信などへの活用も期待されるとしている。3月から試験的に導入、将来的には下り(陸→船)最大30Mbps、上り(船→陸)最大3Mbpsの速度プランまで拡張する予定。

 にっぽん丸には、船舶でのインターネット利用の黎明期であったという2010年から商船三井客船、古野電気、スカパーJSATのパートナーシップのもと、衛星インターネット接続サービスが提供してきた。にっぽん丸は就航30周年となる2020年に改装、客室や公室でWi-Fi環境が利用できるようになっている。

 JSATMarineと対応機器、技術サポートは古野電気が提供した。古野電気は舶用機器の総合メーカーとして衛星通信関連の機器を供給してきたが、JSATMarineへの機器提供は今回初と説明。船上で円滑に運用できるように事前に実験し、設置後も24時間365日の安定したサポート体制を構築したと説明している。

にっぽん丸外観(出典:商船三井客船)
にっぽん丸外観(出典:商船三井客船)

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