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さくらの人工衛星データプラットフォーム「Tellus」新版、検索して購入可能に

2021.11.09 14:43

田中好伸(編集部)

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 さくらインターネットは10月26日、クラウドで人工衛星のデータを分析できる衛星データプラットフォームの新版「Tellus Ver.3.0」の提供を開始した。新機能「Tellus Satellite Data Traveler」が追加された。

 Tellus Satellite Data Travelerは、保存されている衛星データを検索して購入できる。Tellus Satellite Data Travelerに蓄積される衛星データを販売する企業(衛星データプロバイダー)として、同日から日本スペースイメージング(JSI、東京都中央区)や日本地球観測衛星サービス(Japan EO Satellite Service:JEOSS、東京都新宿区)、パスコ(東京都目黒区)が参加した。

衛星データを「意思決定に使ってもらいたい」JSI

 日立製作所や三菱商事などが出資するJSIが10月26日から販売を開始したデータは、米Maxar Technologies(旧DigitalGlobal)が運用する商用光学衛星が撮影したもの。Maxarの商用衛星の撮影するデータは分解能が30cmクラスで、4機体制でほぼ毎日撮影可能という(複数の衛星を協調して動作させる運用方式は「衛星コンステレーション」と言われる)。

 Maxarが運用する商用光学衛星「WorldView-2」と「WorldView-3」は、可視光から近赤外までの8つの波長域での撮影に対応。WorldView-3はまた、短波赤外線(Short Wave Infra Red:SWIR)での撮影も可能。

JSI 代表取締役社長 上田浩史氏
JSI 代表取締役社長 上田浩史氏

 さくらインターネットが同日に開いた記者会見に登壇したJSI 代表取締役社長 上田浩史氏は、WorldView-2やWorldView-3などMaxar運用衛星が2000年から撮りためた画像の「アーカイブを販売」することでビジネスの軸にすることを明らかにした。衛星の画像データなどを「企業に意思決定に使ってもらいたい」(上田氏)

 Maxarは6機で構成される衛星コンステレーション「WorldView Legion」の運用を2022年内に開始する予定。WorldView Legionも8つの波長域での撮影に対応する。

 JSIは、米Capella Spaceや米BlackSky Technologyが運用する衛星の画像も2022年度から販売することを明らかにしている。Capellaが運用する小型衛星は、電波を照射して反射情報から地表面を観測する合成開口レーダー(Synthetic Aperture Radar:SAR)の画像を撮影。BlackSkyが運用するのは小型の光学衛星。CapellaとBlackSkyの衛星は、今までよりも頻度が多い撮影が可能としている。

 BlackSkyが運用する衛星は、人工知能(AI)が自動で地上にある物体を抽出する機能を搭載している。記者会見では、空港を映し出した写真に映っている飛行機が抽出される様子が紹介された。

 上田氏は、JSIが提供する衛星データを利用するメリットとして「商用衛星による高分解能画像、高頻度撮影機会」を挙げるとともに「購入した画像をすぐに利用、分析できるプラットフォーム」としてTellusを紹介した。TellusはJSIにとって「新しいユーザーとつながるチャネル」であるとし、ユーザーからのフィードバックを得ることで新しい利活用方法を獲得できるというメリットも挙げた。

日本の「画像ビジネスは遅れている」JEOSS

 日本電気(NEC)が2015年に立ち上げたJEOSSは、周波数帯域がXバンドのSARを搭載する衛星「ASNARO-2」の画像を販売する。JEOSSは日本初の商用SAR衛星オペレーターであり、ASNARO-2はNEC衛星オペレーションセンター(NSOC)が運用している。

 地球全体を自在に撮像でき、自然災害などの緊急撮像にも柔軟に対応できるという。NECが開発する画像分析技術を適用した分析レポートも提供できるとしている。

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