月探査「Artemis」の事前調査衛星「CAPSTONE」、ナビゲーション技術の検証に成功

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月探査「Artemis」の事前調査衛星「CAPSTONE」、ナビゲーション技術の検証に成功

2023.05.22 13:16

佐藤信彦

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 月探査計画「Artemis(アルテミス)」のナビゲーション技術などを確認する目的で運用されている米航空宇宙局(NASA)の小型衛星「Cislunar Autonomous Positioning System Technology Operations and Navigation Experiment(CAPSTONE)」が、想定通り技術検証できた。NASAは、CAPSTONEが初めて撮影した月面の写真を公開した。

CAPSTONEが月の北極付近を撮影(出典:Advanced Space)
CAPSTONEが月の北極付近を撮影(出典:Advanced Space)

 CAPSTONEは、電子レンジほどの大きさのキューブサット。Artemis計画において月周回軌道で待機する宇宙ステーション「Gateway」の事前準備に必要なデータを収集することが目的。2022年6月に打ち上げられ、11月に月周回軌道へ入った

 Gatewayは、「Near Rectilinear Halo Orbit(NRHO)」と呼ばれる楕円軌道に投入される予定で、現在CAPSTONEも同じNRHOで月を周回中。ここで、軌道制御や通信、ナビゲーションといった技術を検証する。NRHOは軌道面が常に地球を向いているため、地球との通信が途絶えないという。

NRHOで月を周回(出典:NASA)
NRHOで月を周回(出典:NASA)

 ナビゲーション技術の検証は、NASAの月探査機「Lunar Reconnaissance Orbiter(LRO)」と連携して実施。速度や距離の計測に成功し、今後の月探査ミッションで従来より効率的な測位が可能であると示せた。

 同時に、CAPSTONEは6カ月にわたり安定してNRHOで月を周回しており、Gatewayでも同軌道が利用可能と判断できる。CAPSTONEの主なミッションはこれで完了だが、このまま月を周回させ、1年間はさらなる技術検証を続ける。

CAPSTONEの紹介ビデオ(出典:NASA/YouTube)



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