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ワープスペース、宇宙から炭素排出量を高解像度で観測–豪衛星事業者と
2023.05.16 16:23
筑波大学発スタートアップのワープスペース(茨城県つくば市)と、地球観測衛星を運用しているオーストラリアのLatConnect 60は、宇宙から効率的かつ高解像度で炭素排出量を監視する仕組みの構築を目指し、戦略的パートナーシップ契約を締結した。
LatConnect 60は現在、1時間あたり50kgといった少ない流量の炭素排出を検知可能な、測定用の人工衛星を開発中。最初の衛星を2025年後半に地球低軌道(LEO)へ打ち上げ、衛星コンステレーション「HyperSight 60」として運用する計画。
ワープスペースは、小型人工衛星による衛星間光通信サービスの商用提供を目指している企業。地上約2000km~3万6000kmの中軌道(MEO)に衛星3機を打ち上げて光通信インフラサービス「WarpHub InterSat」を構築し、地上400km~1000kmのLEOを周回する地球観測衛星などと地上局とのあいだの通信を中継する計画。
WarpHub InterSatは、従来の通信方式に比べ、大容量のデータを即応的に取得可能としている。そのため、二酸化炭素やメタンといった時間とともに分布や状態が変化するガスの観測にも有効だという。
両社は戦略的パートナーシップ契約を通じ、宇宙からの炭素排出量モニタリングに向けた取り組みを開始する。まず、LatConnect 60の地球観測衛星に適した光通信端末の選定と、地上システムとのインテグレーションを進めていく。日本とオーストラリアで政府機関など関係組織への働きかけでも連携する。