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ispace「HAKUTO-R」、月着陸を4月26日に設定–民間で世界初なるか

2023.04.12 15:10

佐藤信彦

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 ispace(東京都中央区)は、民間月探査プログラム「HAKUTO-R」ミッション1で打ち上げた月着陸船(ランダー)について、日本時間4月26日の着陸を目指すと発表した。4月26日午前0時40分ごろ降下を開始し、午前1時40分に着陸する予定。

 ミッション1のランダーは、Space Exploration Technologies(SpaceX)のロケット「Falcon 9」に搭載され、米フロリダ州ケープカナベラル宇宙軍基地から2022年12月11日に打ち上げられた。2022年12月15日に初回の軌道制御マヌーバ、2023年1月2日に2回目、2月2日に3回目、3月17日に4回目を完了させ、予定通り月周回軌道投入に向けた軌道を航行。

 その後、3月21日に最初の月周回軌道投入マヌーバを実施し、月周回軌道への投入を完了させていた。現在は、月に最も近い近月点高度が約100km、月から最も遠い遠月点高度が約2300kmの楕円軌道で月を周回中。今後は複数回の軌道制御マヌーバを行い、高度100kmで月を周回する円軌道に投入する。

ランダーが月から高度約2000km地点で撮影した画像(出典:ispace)
ランダーが月から高度約2000km地点で撮影した画像(出典:ispace)

 ミッション1では、打ち上げから着陸までの間に10段階のマイルストーンを設定し、それぞれに設けた成功基準(サクセスクライテリア)を達成することを目指している。月周回円軌道への投入が成功すれば、「サクセス8:月周回軌道上でのすべての軌道制御マヌーバの完了」までクリアできたことになる。

月着陸までの予定軌道(出典:ispace)
月着陸までの予定軌道(出典:ispace)

 月着陸は、円軌道から降下して実施する。降下開始後に着陸態勢となり、降下中はランダーの自動制御で速度と姿勢を制御し、約1時間かけて軟着陸する計画。今のところ4月26日午前1時40分の着陸を予定しているが、着陸地点の選定によっては着陸タイミングが4月26日夜、5月1日、5月3日に変わる可能性がある。

ミッション1の流れ(出典:ispace)
ミッション1の流れ(出典:ispace)

 ミッションの途中で何らかの課題が発生した場合でも、その時点までに得たデータやノウハウなどの成果を正確に把握したうえで、2025年までに後続するミッション2、そして「Artemis」計画に貢献するというミッション3へとフィードバックする。これらの取り組みによって、技術と事業モデルの信頼度と成熟度を商業化に足る水準にまで高めることを計画している。

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