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火星ヘリ「Ingenuity」、33回目を飛行–「Perseverance」は困難に遭遇

2022.09.30 17:00

塚本直樹

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 米宇宙航空局(NASA)の火星探査ヘリコプター「Ingenuity」が9月24日、33回目の飛行を実施した。

 Ingenuityは2020年7月に火星探査機「Perseverance」とともに打ち上げられた探査機で、大気の薄い火星における飛行技術を実験している。機体には二重反転ローターを搭載し、観測機器は搭載していない。

 Ingenuityは高度10m、111mの距離を55秒間で飛行した。飛行したのは「Jezero(ジェゼロ)」クレーターで、古代に湖と河川デルタが存在していた場所だ。

 NASAによると、Perseveranceは岩石の研磨ミッションで困難に遭遇していると説明。同探査機が「Chiniak」と呼ばれる岩石にツールを使用したところ、完全に破壊されてしまったという。

 NASAは、2020年代後半にジェゼロクレーターで試料回収(サンプルリターン)ミッション「Mars Sample Return(MSR)」を行う予定だ。同ミッションでは、Perseveranceが集めたサンプルを回収し、地球へと持ち帰る。

(出典:NASA/JPL-Caltech/ASU/MSSS)

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