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ASTスペースモバイルとボーダフォン、欧州で新会社設立–2026年に直接通信を提供
米AST SpaceMobile(ASTスペースモバイル)と英Vodafone(ボーダフォン)はルクセンブルクに新たな合弁会社「SatCo」を設立した。6月30日に発表した。
新会社は、2026から欧州の顧客に衛星と端末の直接通信サービスを提供する。その目標は、欧州の陸地の100%をカバーし、欧州全域に通信サービスを提供することだ。SatCoにすでに21カ国以上の通信事業者から関心が寄せられているという。
SatCo(satellite company)は欧州初の直接通信プロバイダーになることを目指している。既存の地上ネットワーク事業者と統合して安全なバックホール回線を提供し、AST SpaceMobileの衛星「BlueBird」(ブルーバード)コンステレーションの通信範囲を拡大するために小規模な地上局ネットワークを展開する。
AST SpaceMobileは現在、地球低軌道(LEO)にBluebirdの現行機「Block 1」(ブロック1)5機を周回させており、6月中にBluebirdの新世代機「Block 2」(ブロック2)によるコンステレーションの第1陣を打ち上げる予定だ。4回の打ち上げで2026年には衛星の総数は60機に達する見込みだ。
Block 2のアンテナ面積は約223m2で、Block 1の64m2の約3.5倍。Block 2には自社開発のチップが搭載され、Block 1の10倍となる衛星1機あたり10GHzの帯域処理が可能になるという。
調査会社Quilty Space(クイルティ・スペース)のリサーチディレクターであるCaleb Henry(ケイレブ・ヘンリー)氏は、「Vodafoneは欧州だけでなく、アフリカにも大きなビジネスを持っている。AST SpaceMobileが2つの大陸にわたるVodafoneの成功を活用できたとしても、私は驚かないだろう」と米メディアPayloadに述べている。
Bluebirdでの直接通信は、日本国内で楽天モバイルが「Rakuten 最強衛星サービス」として2026年第4四半期(10~12月)に提供する予定。

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Vodafoneプレスリリース
AST SpaceMobileプレスリリース
Payload
