
ニュース
中国とロシア、月面に原子力発電所を建設へ–中国の月面基地に電力を供給
2025.05.27 08:00
中国とロシアは現地時間5月8日、月面での原子力発電所の建設に関する協定に署名した。ロシアの通信社Interfaxが報じている。
中国とロシアは、2036年までに月面基地「国際月面研究ステーション(International Lunar Research Station:ILRS)」の建設を予定している。両国が署名した協力覚書によれば、ロシア製の原子炉はILRSに電力を供給するために使用される予定だ。
Roscosmos長官のYury Borisov(ユーリ・ボリソフ)氏は「中露の原子炉の建設は人間の介在なしに、自立的に行われる可能性が高い」と2024年にロシアの報道機関TASSに語っている。同氏によれば、原子炉は技術的に「ほぼ準備完了」にあるという。
ILRSにはこれまでに、エジプトやパキスタン、ベネズエラ、タイ、南アフリカを含む、17カ国が参加を表明している。中国とロシアは2030~2035年に5回の超大型ロケットを打ち上げ、月面基地の構成要素を月軌道に投入する計画だ。
中国はILRSの拡張も計画しており、月周回軌道上の宇宙ステーション、月の赤道部と裏側に設置されるノード(拠点)と連結させる構想を明らかにしている。この拡張モデルは、将来の有人火星探査の基盤となるもので、2050年までの完成を目指している。