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中国、1メガワット発電の宇宙原子炉を開発へ–国際宇宙ステーション10機分相当

2022.09.02 16:58

塚本直樹

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 中国科学技術部が1メガワットの発電が可能な宇宙原子炉のプロジェクトを承認したことを、宇宙関連サイトのSpaceNewsが報じている

 米航空宇宙局(NASA)の試算によれば、国際宇宙ステーション(ISS)は84〜120キロワットの電力で駆動している。つまり、1メガワットの電力は、ISSの10機分に相当する。

 宇宙空間では太陽が遠い場合、あるいは月の裏側や火星のように太陽光を得るのが難しいシチュエーションで原子力発電が広く利用されている。NASAのほかに米国防高等研究計画局(DARPA)や米国防総省(DoD)はいずれも原子炉プロジェクトを進めているが、中国が宇宙原子炉を開発する具体的な理由は説明されていない。

 中国はすでに月着陸船「嫦娥3号」でプルトニウムによる原子力発電を採用し、2週間の月の夜を乗り切った。中国紙「南華早報(South China Morning Post)」は2021年に「宇宙原子炉の試作設計が完成した」と報道している。SpaceNewsによれば、中国の宇宙原子開発は2019年から開始されたという。

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