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水処理大手の栗田工業、月のレゴリスから水を精製する技術的課題などを研究
2024.11.07 13:30
水処理大手の栗田工業は、月の砂や塵(レゴリス)から抽出する水の精製や電気分解プロセスに取り組む。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の公募型企画競争に栗田工業の提案が採択された。11月6日に発表した。
レゴリスから抽出する水質を予測し、実際に超純水を精製する実験などを検討して、結果をJAXAに提出する。具体的には以下のように取り組む。
- 水の精製と電気分解プロセスの技術的な課題を調べるとともに今後の実証計画を検討
- 電気分解槽での許容純水度を調査、検討
- 不純物を含む原料水を精製実験
米航空宇宙局(NASA)が主導する月探査計画「Artemis」が進められているが、JAXAが取りまとめた「日本の国際宇宙探査シナリオ(案)2021」に基づいて月や火星の探査に向けた研究開発も進められている。
そうした中で月のレゴリスは水や氷が存在する可能性が指摘されるようになっており、ロケットなどの宇宙機の推薬に活用できる液体酸素や液体水素をレゴリスに含まれる水や氷から製造するプラントを月に建設して運用することを視野にした動きも本格化している。
栗田工業は、JAXAとの国際宇宙ステーション(ISS)での宇宙向け水再生システムの実証試験をはじめ、長年培ってきた水処理分野の技術や知見の宇宙分野への適用を目指した取り組みを進めている。
レゴリスは月探査で活用される機器に悪影響を及ぼす存在だが、月面で植物を栽培したり、蓄熱材として利用したりするための研究が進められている。
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栗田工業プレスリリース