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札幌市、衛星データ活用した水道管漏水リスク管理システム採用–政令指定都市では初
2024.03.07 15:19
JAXAベンチャーの天地人(東京都中央区)は3月7日、水道管の漏水リスク管理システム「天地人コンパス 宇宙水道局」が札幌市水道局に採用されたと発表した。愛知県の豊田市や瀬戸市、青森県青森市、福島県福島市、群馬県前橋市が採用しており、札幌市が6番目。政令指定都市での採用は初めて。
宇宙水道局は、世界各国500機以上の人工衛星が観測したデータ(=宇宙ビッグデータ)やオープンデータをもとにウェブベースの地理情報システム(GIS)「天地人コンパス」を基盤に100m×100mの範囲で漏水リスクの可能性区域を5段階で確認、管理できるクラウド型のシステム。
気候変動の影響も踏まえた漏水リスクを事業体ごとに提案できるのが特徴と説明。衛星観測データやオープンデータ、劣化や腐食の要因や漏水発生情報などから機械学習(AI)で統計学的に解析。日常的に漏水地点を登録、管理することで漏水リスクの評価精度が向上できるという。
2022年度の内閣府との実証実験や他自治体へのヒアリングを通して、宇宙水道局の期待できる効果として、点検費用を最大65%、調査期間を最大85%、それぞれ削減できることを挙げている。評価した内容をいつでも確認できるだけでなく、漏水調査結果の入力と管理にも対応している。
実地検証結果や市民からの通報内容をナレッジ情報として保存、印刷できるほか、AIに学習させることで解析精度を高めることも期待できるとしている。
上水道の水道管の老朽化が原因で、全国各地で大規模な漏水事故が相次いで発生しているという。国内には約14万km(全体の19.1%)の管路が法定耐久年数を超えており、現状の手法では経年管の点検、維持、修繕を実施に多額の費用が必要になる。
広域かつ短期間で行うことは困難とされ、少子高齢化、人口減少から今後税収や職員数の減少が見込まれるため、問題は深刻さを増していると指摘されている。
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天地人プレスリリース