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前橋市、水道管漏水リスク管理システム「宇宙水道局」採用–衛星データを活用

2023.10.24 13:11

佐藤信彦

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 JAXAベンチャーの天地人(東京都中央区)は、衛星データを活用した同社の水道管漏水リスク管理システム「天地人コンパス 宇宙水道局」が、群馬県前橋市の水道局に採用されたと発表した。国内の自治体としては4番目の事例となる。

 宇宙水道局は、オンライン地理情報システム(Geographic Information System:GIS)プラットフォーム「天地人コンパス」がベースのクラウド型システム。世界各国500機以上の人工衛星が観測したデータ(宇宙ビッグデータ)やオープンデータを活用して、水道管の漏水リスクを管理する。

 漏水に影響を及ぼすデータを地球観測衛星から取得し、水道管の材質や使用年数、漏水履歴といった水道管路データと組み合わせ、人工知能(AI)技術で解析する。これにより、約100m四方ごとに地区の漏水リスクを評価できるという。

漏水リスクを5段階に分けて色の違いで示す(出典:天地人)
漏水リスクを5段階に分けて色の違いで示す(出典:天地人)

 漏水調査結果を入力して管理する機能も備える。実地検証結果や市民からの通報内容をナレッジ情報として保存、印刷でき、さらにAIに学習させることで解析精度を高められるという。

 2022年度の内閣府との実証実験や他自治体へのヒアリングによると、宇宙水道局のもたらしうる効果は、点検費用が最大65%削減、調査期間が最大85%削減になるとしている。

 国内の自治体では、これまでに福島県福島市愛知県瀬戸市青森県青森市が採用している。

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天地人プレスリリース

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