「アルテミス2」の安全性を強調--NASA、宇宙飛行士を追悼する式典を開催

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「アルテミス2」の安全性を強調–NASA、宇宙飛行士を追悼する式典を開催

2024.01.26 07:30

塚本直樹

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 米航空宇宙局(NASA)の上級管理職のメンバーは米国時間1月23日、「Artemis II」ミッションでの宇宙飛行士の安全性を強調した。

 Artemis IIは4人の宇宙飛行士が宇宙船「Orion」に搭乗し、月を周回するミッション。しかし、緊急脱出装置や熱シールドの問題、生命維持装置の開発の遅れなどを理由に、ミッションは2025年9月に延期されている。

 NASAは1月23日に、宇宙開発ミッションで亡くなった宇宙飛行士を追悼する式典「追悼の日」(Day of Remembrance)を開催した。式典には、NASAの探査システム開発ミッション本部(ESDMD) 副本部長を務めるJim Free氏が登壇。Free氏は、Artemis IIを含む全ての有人ミッションについて「小さく考え、小さな行動を考慮する」ように職員に促した。

 1967年1月に「アポロ1号」で地上での予行演習中に発生した火災で3人が死亡。1986年1月にスペースシャトル「チャレンジャー号」は打ち上げで空中に分解し、7人が死亡。2003年2月にスペースシャトル「コロンビア号」は大気圏再突入時に空中で分解、7人が死亡。毎年1月末頃に開催される「追悼の日」は宇宙飛行士に加えて宇宙開発にかかわる中で命を落としてしまった人々を偲ぶ式典となっている。

 NASAは過去の事故を調査し、改善策を実施した上で将来のミッションの成功に役立てようとしている。

Artemis IIで飛行する宇宙飛行士4人。(左から)ミッションスペシャリストであるJeremy Hansen氏とChristina Koch氏、パイロット(操縦士)のVictor Glover氏、コマンダー(船長)のReid Wiseman氏(出典:NASA)
Artemis IIで飛行する宇宙飛行士4人。(左から)ミッションスペシャリストであるJeremy Hansen氏とChristina Koch氏、パイロット(操縦士)のVictor Glover氏、コマンダー(船長)のReid Wiseman氏(出典:NASA)

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