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「すぐにでも乗る」–ISSに9カ月取り残されたスターライナー宇宙飛行士、再飛行に意欲
米航空宇宙局(NASA)の宇宙飛行士、Suni Williams(スニ・ウィリアムズ)氏とButch Wilmore(ブッチ・ウィルモア)氏は、米Boeing(ボーイング)の宇宙船「CST-100 Starliner」(スターライナー)に再び乗る意志があると発言した。海外メディアのSpace.comが報じた。
Starlinerは2024年6月、有人飛行試験(CFT)として、2人を国際宇宙ステーション(ISS)に輸送した。しかし推進システムからのヘリウム漏れや姿勢制御システム(RCS)のスラスターの一部が故障。Starlinerに2人を乗せて帰還するのはリスクがあると判断したNASAは、Space Exploration Technologies(SpaceX、スペースX)の宇宙船「Crew Dragon」で帰還させることを決断した。
こうした経緯からミッション「Crew-9」として2人が地球に帰還したのは2025年3月。2人のISSでの滞在予定は当初、8日間程度だったが、実際には9カ月となった。
米国時間3月31日に開かれた記者会見でWilmore氏は、Starlinerへの再乗船について「われわれは問題を修正し、必ず成功させる。BoeingもNASAも完全にコミットしており、すぐにでも乗船するつもりだ」と発言。「Starlinerは優れた宇宙船で、他にはない能力を持っている」(Williams氏)
Wilmore氏はBoeingの幹部と会談してStarlinerの問題を話し合う予定であることを明かした。「彼らはわれわれと協力したいと考えている」(Wilmore氏)
StarlinerとCrew Dragonの両方に乗った宇宙飛行士は現時点でWilliams氏とWilmore氏の2人だけになる。両氏はどちらも快適な乗り心地を提供していると説明する。Williams氏は「どちらもそれぞれ違う理由で素晴らしい」と言及。「Dragonは快適で、何をしているか教えてくれるので、とても便利」
現時点でStarlinerの次回の飛行スケジュールは決定されていない。NASAとBoeingは数カ月にわたる修正作業を予定しており、次回の飛行は「今年の年末か、来年の初めになる可能性が高い」としている。実運用ミッション「Starliner-1」の実施時期も決まっていない。
