スターライナー、想定日数以上の宇宙滞在は可能--帰還に向けたテスト期間を確保

ニュース

スターライナー、想定日数以上の宇宙滞在は可能–帰還に向けたテスト期間を確保

2024.07.03 17:15

塚本直樹田中好伸(編集部)

facebook X(旧Twitter) line

 米Boeingの宇宙船「CST-100 Starliner」(スターライナー)が、当初想定されていた45日という制限を超えて軌道上にとどまることができる可能性が高いと、米航空宇宙局(NASA)が明らかにした。

 Starlinerは有人飛行試験(Crew Flight Test:CFT)として、米国時間6月5日に打ち上げられた。Starlinerに乗った2人の宇宙飛行士は、6月6日から国際宇宙ステーション(ISS)への滞在を開始。しかし、ヘリウム漏れやスラスターの問題から、地球への帰還が7月2日以降に延期されていた

 NASAによれば、Starlinerのヘリウム漏れの状況は安定しており、スラスタは1つを除いてすべて地球への帰還に使用できる状態にある。また、地上でのスラスタテストは早ければ7月2日にも開始されるが、テストの時間を確保するために、ISSに45日以上とどめておく必要があるという。

 「Starlinerの乗組員モジュールのバッテリーによる45日間の制限について話し合ったが、現在はその制限を更新する手続きを進めている」と、NASAの「商業乗員輸送プログラム(Commercial Crew Program:CCP)」でマネージャーを務めるSteve Stich氏は述べている。

 StarlinerでISSに乗り込んだ宇宙飛行士の滞在期間は当初1週間を予定していた。Starlinerは4人乗りの宇宙船。NASAのCCPとしてBoeingが契約している。CCPでは、すでにSpace Exploration Technologies(SpaceX)の「Crew Dragon」が実運用されている。

StarlinerでISSに輸送された宇宙飛行士のSuni Williams氏(左)とButch Wilmore(右)。ISS内での業務を進めている(出典:NASA)
StarlinerでISSに輸送された宇宙飛行士のSuni Williams氏(左)とButch Wilmore(右)。ISS内での業務を進めている(出典:NASA)

関連情報
NASA発表
Space.com

Related Articles