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「衛星破壊実験」に航空宇宙企業26社が反対–デブリを生み出す、低軌道に脅威
2023.11.17 07:00
非営利団体の米Secure World Foundation(SWF)は米国時間11月14日、衛星破壊実験(Anti-SAtellite Test:ASAT)に26社の航空宇宙企業が反対する声明に署名したと発表した。
ASATは敵国の通信衛星や監視衛星を破壊することが目的。ロシアが2021年11月に直接地上からミサイルを発射し人工衛星で破壊する実験(Direct-Ascent Anti-SAtellite Test:DA-ASAT)を実施。日本やドイツ、フランスはASATを行わないと表明している。国連では2022年12月にASATを禁止する決議が承認されている。
ASATの反対を表明した26社には、米Amazonで衛星インターネットを提供するProject Kuiper、軌道上サービスを提供するアストロスケール、宇宙インフラ開発の米Axiom Space、衛星通信の米Iridium、地球観測の米HawkEye 360や米Planet Labsが含まれる。
声明では、「(ASAT)は国家資産、商業宇宙船、有人宇宙飛行プラットフォーム、宇宙ベースのサービスの多くを脅かす、軌道上のスペースデブリ(宇宙ゴミ)を生み出す可能性がある。このようなデブリは現在と将来の運用コストを引き上げ、低軌道における将来の経済活動や技術革新に直接的な脅威をもたらす」と述べている。