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ロシアの衛星破壊実験で発生したデブリ、大半が軌道から落下

2022.09.30 19:25

塚本直樹

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 ロシアが2021年11月に実施した“衛星破壊(Direct-Ascent Anti-Satellite:DA-ASAT)実験”で発生した宇宙ゴミ(スペースデブリ)の3分の2が軌道から落下したことが国際会議「Advanced Maui Optical and Space Surveillance Technologies(AMOS)」の講演で現地時間9月28日に発表された。

 DA-ASATでは、地上から打ち上げたミサイルで同国の衛星を破壊した。これにより、1500個以上の追跡可能なデブリが発生。さらに、より小さな数十万個のデブリが発生したと考えられている。

 登壇した米宇宙軍第18宇宙防衛隊の軌道アナリストであるDeshaun Hutchinson氏によれば、8月の時点で1783個の追跡対象が存在すると述べている。米宇宙軍飛行隊内の「メガコンステレーションチーム」が追跡した。

 デブリのうち1122個がすで軌道から離れ、661個がまだ軌道上に残っているという。しかし、軌道上に残ったデブリが大気圏に再突入するには、2033年頃までかかるという憶測も伝えている。

 ロシアが生み出したデブリは大きな問題を生み出しており、7月までの時点で国際宇宙ステーション(ISS)との間に560件もの衝突関連通知が発生し、そのうち15件は深刻なものだった。

(出典:COMSPOC)

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