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木星に時速515kmの強力なジェット気流–ジェームズウェッブ望遠鏡が新たな功績

2023.10.23 17:08

塚本直樹

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 米航空宇宙局(NASA)の「James Webb(ジェームズ・ウェッブ)宇宙望遠鏡」(JWST)が、木星大気の強力なジェット気流を発見した。

出典:NASA, ESA, CSA, STScI, Ricardo Hueso (UPV), Imke de Pater (UC Berkeley), Thierry Fouchet (Observatory of Paris), Leigh Fletcher (University of Leicester), Michael H. Wong (UC Berkeley), Joseph DePasquale (STScI)

 木星は太陽系で最も濃密な大気を持つ惑星だ。その「大赤斑」は、地球を包み込むほどの大きさで知られている。しかし、木星の大気は常に変化しており未だ多くの謎が残っている。

 研究者は、Webb望遠鏡が2022年に撮影した木星の画像を精査した。その結果、赤道の高高度大気に、幅約4800km、時速約515kmの高速ジェット気流を発見した。木星の高高度大気は光の散乱度合いが高く、これまで詳細な観測が難しかった。今回、Webb望遠鏡が誇る高い近赤外線の観測能力によって、ジェット気流の発見に至った。

 研究者らは今後、Webb望遠鏡とハッブル宇宙望遠鏡を組み合わせることで、木星大気の異なる層による相互作用や変化を、より詳しく理解することを目指すという。

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Webb Space Telescope

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