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KDDI、「フォトニック結晶レーザー」で低軌道〜静止軌道間の光通信方式の実証に成功–世界初

2023.10.19 17:16

佐藤信彦

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 KDDIとKDDI総合研究所、京都大学の研究グループは、フォトニック結晶レーザーによる光通信で、地球低軌道(LEO)衛星と静止軌道衛星との通信が可能であると実証した。

 3者は、半導体レーザーの一種であるフォトニック結晶レーザーを用い、宇宙で利用可能な自由空間光通信技術の開発に取り組んできた。フォトニック結晶レーザーは、一般の半導体レーザーに比べてビームの出力が高く、広がり角が狭いという。伝搬経路に増幅器などの大型装置を設ける必要がないため、宇宙のような自由空間における、小型かつ低消費電力な通信システムの実現が期待される。

LEO衛星間と、LEO衛星-静止衛星間の光通信(出典:KDDI)

 高度2000km以下の比較的低い高度で地球を周回するLEO衛星と、高度約3万6000kmにある静止衛星とのあいだで光通信を行うには、高い受信感度の通信方式を使わなければならない。ちなみに、これまでの実証実験はLEO衛星同士の通信を想定しており、光の強度情報のみで情報伝達する「強度変調・直接検波方式」を用いていた。

 新たな実証実験では、より受信感度の高い「周波数変調・コヒーレント受信方式」を採用。送信器から発射された光が受信側で1億分の1に減衰していても、光ファイバー増幅器を用いることなく通信できることを確認した。このことから、宇宙空間でLEO衛星と静止衛星間の光通信が実現可能と考えられるという。

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