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auスマホと衛星の直接通信、なぜ当初はSMSのみ?UQやpovoでも使える?–KDDIとSpaceXが回答

2023.08.30 13:02

小口貴宏(編集部)

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 auスマートフォンとStarlink衛星の直接通信サービスが2024年にスタートする。当初はSMSに対応し、順次音声通話やデータ通信にも対応する予定だ。また、auの既存の周波数帯を利用するため、普段のauスマートフォンがそのまま衛星通信に対応する。これによって、山間部や島しょ部を含む日本全域がauエリアとなる。

 スマートフォンとStarlink衛星の直接通信サービスは、欧米の6カ国で提供がすでに決まっているが、アジアでの提供は日本が初となる。

スマホと衛星の直接通信、プラチナバンドは使用せず

 KDDIで取締役執行役員を務める松田浩路氏によると、今回の衛星通信サービスではauが保有するミッドバンドの周波数帯を利用し、プラチナバンドは利用しない。また、KDDIは楽天モバイルに帯域を貸し出しているが、衛星通信の楽天モバイルへの貸出もないという。

左からKDDIで取締役執行役員を務める松田浩路氏、SpaceXでSenior Vice President of Commercial Businessを務めるTom Ochinero氏

 さらに、auだけでなくUQやpovoのユーザーも衛星通信を利用できるという。衛星通信利用時の料金設計などは今後検討するとしている。

 また、当初はSMSのみの提供だが、SpaceXでSenior Vice President of Commercial Businessを務めるTom Ochinero氏によると、これは通信の連続性やネットワーク容量の影響だという。SMSは品質の低いネットワークでも提供できるという。そして、スマートフォンとの直接通信に対応する第2世代のStarlink衛星「Starlink V2」が増加し、ネットワーク容量やシステムの容量が拡大した段階で、音声通話やデータ通信に踏み切ると述べた。

 なお、イーロン・マスク氏はスマホと衛星の直接通信について「条件が良ければ動画を送受信できる」と述べていた。

 なお、スマートフォンとの直接通信できるStarlink衛星は、巨大ロケット「Starship」で打ち上げる必要があると思われている。一方、Ochinero氏は既存の「Falcon 9」ロケットで打ち上げることも可能だと述べた。そして、Starshipの開発遅延がスマートフォンとの直接通信サービスの提供に影響を与えることはないとの認識を示した。

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