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auで「Starlinkとスマホの直接通信」は実現する?–KDDIの最新の回答は

2023.07.19 10:23

小口貴宏(編集部)

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 Space Exploration Technologies(SpaceX)が現在開発中の次世代ブロードバンド衛星「Starlink V2」は、大型のフェーズドアレイアンテナを搭載し、スマートフォンとの直接通信の実現を目指している。

 また、米T-MobileはStarlink V2衛星を活用し、インターネット環境のないへき地でスマートフォンの通信を利用可能にする「Coverage Above & Beyond」構想を発表している。Space.comによると、同構想ではセルあたり2〜4Mbpsのスループットを提供し、1000〜2000件の同時音声通話や、数十万件の同時テキストメッセージ送受信が可能になる模様だ。

 また、同構想に用いられるStarlink V2衛星は巨大で、質量は現行衛星の約300kgに対して、約1250kgにも達するため、打ち上げには巨大ロケットの「Starship」が必要となる。なお、現段階ではスマートフォンとの直接通信などを省いた小型版「Starlink V2 mini」が開発され、軌道上に打ち上げられている。

KDDI「Starlinkとの協業の幅は拡大」

 日本でStarlinkと密接なパートナーシップを組んでいるのがKDDIだ。同社はStarlinkをau基地局のバックホール回線として利用し、自治体や法人向けの「Starlink Business」を販売している。

 7月18日にKDDIが開催した「Starlink説明会」では、「Starlinkとスマートフォンの直接通信が実現した場合に、auも導入するのか」という質問が飛び出した。

 質問に対し、KDDIで取締役執行役員 パーソナル事業本部 副事業本部長 兼 事業創造本部長を務める松田浩路氏は次のように回答した。

 「本日時点で言えることはないが、徐々にSpaceXとの協業の幅を拡大している。au基地局のバックホール回線として採用し、Starlink Businessをやり、今回海上サービスを開始し、これからも彼らとの協業を通じて、彼らのサービスを国内に持ち込むということを、様々な領域で頑張りたいと思っている」(松田氏)

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