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NASA火星サンプルリターン、厳しい予算審査に直面–当初の2倍、中止の可能性も
2023.07.20 14:39
米航空宇宙局(NASA)の火星サンプルリターンミッション「Mars Sample Return(MSR)」が、米上院の予算質疑で厳しい審査にさらされている。
MSRでは、火星からのサンプルの持ち帰りが予定されている。 これは現在火星で稼働している探査車(ローバー)「Perseverance」が集めた岩石や堆積物、大気のサンプルを、2026年以降に打ち上げる軌道周回機と着陸機で回収し、地球へと持ち帰る計画だ。
上院の歳出委員会はMSRについて、継続的なスケジュールの遅延とコストの増大の可能性を指摘。NASAにおけるMSRのコスト見積もりが当初の2倍近い、80億〜90億ドル(約1.1〜1.3兆円)に膨らんでることも、Ars Techniaにより報告されている。
歳出委員会は、MSRの年度ごとの予算内訳の提示を求めている。もしミッションが予算内に収まらない場合には、計画が中止される可能性がある。