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ispace「HAKUTO-R」、月周回の円軌道に投入完了–民間初の月着陸にまた一歩前身
2023.04.17 13:26
ispace(東京都中央区)は、民間月探査プログラム「HAKUTO-R」ミッション1で打ち上げた月着陸船(ランダー)について、月周回円軌道への投入が完了し、着陸シーケンスの開始準備が整ったと発表した。月着陸は、日本時間4月26日に実行する予定。
ミッション1のランダーは、Space Exploration Technologies(SpaceX)のロケット「Falcon 9」に搭載され、米フロリダ州ケープカナベラル宇宙軍基地から2022年12月11日に打ち上げられた。2022年12月15日に初回の軌道制御マヌーバ、2023年1月2日に2回目、2月2日に3回目、3月17日に4回目を完了させ、予定通り月周回軌道投入に向けた軌道を航行。
3月21日に最初の月周回軌道投入マヌーバを実施し、月を周回する楕円軌道へ投入。その後、2回の軌道制御マヌーバを行い、高度100kmの円軌道で月を周回する状態にした。
ミッション1では、打ち上げから着陸までの間に10段階のマイルストーンを設定し、それぞれに設けた成功基準(サクセスクライテリア)を達成することを目指している。月周回軌道上での軌道制御マヌーバをすべて終え、月周回円軌道への投入を成功させたことで、第8段階のマイルストーン「サクセス8」までクリアできたことになる。残るマイルストーンは、「サクセス9:月面着陸の完了」と「サクセス10:月面着陸後の安定状態の確立」のみ。
今後、ランダーを円軌道から降下させて月着陸を目指す。降下開始は4月26日午前0時40分、着陸は午前1時40分の予定。着陸地点の選定によっては、着陸タイミングが4月26日夜、5月1日、5月3日に変わる可能性がある。
ミッションの途中で何らかの課題が発生した場合でも、その時点までに得たデータやノウハウなどの成果を正確に把握したうえで、2025年までに後続するミッション2、そして「Artemis」計画に貢献するというミッション3へとフィードバックする。これらの取り組みによって、技術と事業モデルの信頼度と成熟度を商業化に足る水準にまで高めることを計画している。