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衛星で反射させた太陽光を広告に使う技術、「経済的に実現可能」–ロシア研究チーム

2022.10.07 14:15

佐藤信彦

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 ロシアのスコルコボ科学技術大学(Skoltech)とモスクワ物理工科大学(MIPT)の研究チームは、小型人工衛星(キューブサット)の編隊に太陽の光を反射させ、それを空に浮かぶ広告として地上から見えるようにするアイデアについて、技術的かつ経済的に実現可能だとする論文発表した。

 このアイデアでは、50機を超える程度のキューブサットを地球の周回軌道に乗せ、各衛星に設けたシートで太陽光を地球の方向へ反射させて、地上から見えるようにする。その際、衛星の配置を制御し、商品ロゴや広告メッセージが空に浮かんでいるように見せるという。

衛星のシートで太陽光を反射(出典:Skoltech)

 研究チームは、衛星の移動や軌道維持に必要な燃料の量、広告掲示の経費などから、1回のミッションで6500万ドル(約94億2175万円)のコストが必要と試算した。その一方、広告を見せることのできる都市の人口や天候、季節などを考慮し、1つの都市に対して広告を1分間掲示するとしたら、1日当たり平均200万ドル(約2億8990万円)ほどの広告収入が見込めるという。

 つまり、このシステムを1カ月運用できれば、経費を賄えるそうだ。

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