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月探査ミッション「Artemis I」、ハリケーンの影響で11月中旬に打ち上げ延期
2022.10.03 18:15
米航空宇宙局(NASA)は米国時間9月30日、月探査ミッション「Artemis I」で利用される「Space Launch System(SLS)」ロケットの打ち上げを11月中旬へと延期すると発表した。
Artemis IではSLSによって宇宙船「Orion」を月周回軌道へと打ち上げ、将来の有人月探査ミッションに向けたデータを収集する。これまでも打ち上げはエンジントラブルや液体水素燃料の漏洩、そしてハリケーン「Ian(イアン)」のケネディ宇宙センターへの接近により、度々延期されてきた。
NASAはIanの接近により、SLSを発射台から組立棟(VAB)へと移動させている。同ハリケーンによるケネディ宇宙センターへの損害は軽微で、SLSにも被害はなかった。しかし、その影響で、同ロケットの打ち上げは11月12日から27日へと延期されることとなった。
SLSをVABへと移動させたことで、同ロケットは飛行中断システム(Flight Termination System:FTS)の認証を再度取得する必要がある。これまでは、打ち上げの延長のたびにFTS認証に関するテストが免除されてきた。
今回の打ち上げ延期について、NASAは「11月の打ち上げに集中することで、ケネディ宇宙センターのチームが発射台へとSLSを戻すための必要なチェック項目を確認することができる」と説明している。