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JAXA、「革新的衛星技術実証」4号機のキューブサットでの実証テーマを選定
2022.09.30 18:26
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は9月30日、2024年度の打ち上げを予定する「革新的衛星技術実証」の4号機に搭載する実証テーマについて、キューブサットに対して応募された9テーマの中から3件を選定したと発表した。
JAXAは、宇宙基本計画で示された「産業・科学技術基盤を始めとする宇宙活動を支える総合的な基盤の強化」の一環として、超小型衛星などを用いた新規要素技術の実証および、新規事業につながる技術の実証を実施することを目的に「革新的衛星技術実証プログラム」を進めている。
4号機では、「部品・コンポーネント・サブシステム」「超小型衛星システム(50kg級衛星システム)」「超小型衛星システム(キューブサットシステム)」の3つのカテゴリで実証テーマを公募しており、今回キューブサットについての実証テーマを選定した。選定された実証テーマは、以下の通り。
- 軌道維持用推進システムを搭載した次世代キューブサットの技術実証(香川高等専門学校 代表者:村上幸一氏)
- 折り紙構造による超高利得展開リフレクトアレーアンテナ技術の宇宙実証(東京工業大学 代表者:坂本啓氏)
- 超小型宇宙機用インテリジェント電源ユニットの軌道上実証(大日光・エンジニアリング 代表者:柴田克哉氏)
1の「軌道維持用推進システムを搭載した次世代キューブサットの技術実証」と2の「折り紙構造による超高利得展開リフレクトアレーアンテナ技術の宇宙実証」については、募集課題「これまで世界で行われていない新たな宇宙利用ビジネス構想により、国内外の市場を新たに創造する、または、それにより国内の宇宙ビジネス促進や宇宙分野における優秀な人材育成につながる可能性のある技術・コンセプトの実証」に該当。
3の「超小型宇宙機用インテリジェント電源ユニットの軌道上実証」については、募集課題「我が国の衛星関連機器・部品の価格競争力、性能、機能などを格段に向上させる技術、またはフレキシブルな衛星開発手法や革新的なミッション/システム技術の実証」に該当する。
選定は、JAXA内での応募者資格要件の確認と基礎点審査(技術成立性、インターフェース条件への適合、安全要求への適合、軌道上運用の実現性、実施計画の成立性などの観点)と、外部有識者で構成される選定評価委員による加点審査(意義・価値などの観点)によるものだという。
今後、打ち上げに向けて、必要な取り決めの締結、技術調整、安全審査などの準備を進めるとしている。
4号機の軌道高度は、500kmまたは560km(投入誤差±15km)。軌道傾斜角は、高度500kmの場合は97.4度、高度560kmの場合は97.6度(投入誤差±0.15度)。実証運用時の定常姿勢は地球指向。
JAXAによると、「部品・コンポーネント・サブシステム」については現在選定中で、「超小型衛星システム(50kg級衛星システム)」については応募がなかったという。