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宇宙から人工衛星を回収し再利用、Outpost Technologiesが約10億円調達–23年打ち上げへ

2022.09.16 14:04

佐藤信彦

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 再利用可能な人工衛星システムの開発に取り組んでいるOutpost Technologiesは、計画の実現に向けて710万ドル(約10億円)の資金調達を実施した。

 Outpost Technologiesによると、現時点で実用化されている人工衛星や宇宙船の地球帰還方法は、効率が悪くコストも高いそうだ。これに対し、Outpost Technologiesは帰還プロセスを、大気圏再突入時の減速と滑空による飛行という2段階に分けることで、改善を図る。具体的には、大気圏に突入する際は軽いヒートシールドを膨らませて人工衛星を熱から保護し、十分減速できたらパラグライダーを広げて滑空して、正確な位置へ着地するという。

最終的にパラグライダーで着地(出典:Outpost Technologies)

 人工衛星を地球に戻して再利用することで、全体のコストを下げると同時に、ペイロード(貨物)を回収する宇宙利用が可能になる。さらに、使用済みの人工衛星が軌道に長く留まることも避けられて、宇宙ゴミ(スペースデブリ)の減少にもつながるだろう。

 Outpost Technologiesは、2023年の早い時期に同システムの人工衛星を打ち上げて試験する計画だという。

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