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月に実験装置を輸送するMasten、破産を申告–NASAから商業月着陸で委託契約

2022.08.05 16:49

塚本直樹

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 米航空宇宙局(NASA)が月への科学実験装置の輸送を委託している企業の一社であるMasten Space Systemsが破産を申告した。

 NASAはロボットによる月面着陸ミッションを商業月着陸サービス(Commercial Lunar Payload Services:CLPS)として、民間企業へと委託している。これはNASAの月探査計画「Artemis I」プログラムのもと、将来の有人月面探査を支援するために、月面に科学実験のためのペイロードを輸送するのが目的だ。

 カリフォルニア州に拠点を置くMastenは、デラウェア州の米国連邦破産裁判所に連邦破産法第11条の適用を申請した。同社はLunar OutpostやHoneybee Roboticsと共同で、ロケットを使って月面の氷を採掘するシステムも開発していた。

 NASAは2020年4月に締結されたCLPSの契約として、Mastenに7590万ドル(約10億円)を提供していた。一方で同社は2021年に、新型コロナウイルスに関連するサプライチェーンの問題を公表。その後、Space Exploration Technologies(SpaceX)のロケットを利用した月の南極への打ち上げミッションは、2022年から2023年11月へと延期された。またMastenは今年6~7月に従業員を解雇していた。

 CLPSで月着陸船を開発している別の企業のIntuitive Machinesは、債権者のSpaceXからMastenの債権の購入で合意している。なお、Mastenは、より条件の良い売却先を模索することも可能だ。

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