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ワープスペースとSynspective、衛星データの取得頻度や速度をソフトで解析
2022.09.08 17:40
ワープスペース(茨城県つくば市)とSynspective(東京都江東区)は9月8日、光通信網を利用した際のデータの取得頻度や速度をソフトウェア上で解析する技術検証で合意したと発表した。
ロケット開発、惑星探査、宇宙旅行、宇宙インターネット、宇宙ビックデータなどの宇宙産業は、現在の市場規模は約40兆円、2040年には約120兆円を突破するといわれている。宇宙産業の市場拡大の大きな理由は技術躍進にあるとしており、宇宙でも通信網の強化が情報取得において重要な役割を担っているという。
宇宙における高速光通信ネットワークを構築しているワープスペースによると、衛星間での通信速度を速め、頻度を高めることで衛星が取得したデータを地上へと送るサイクルを通じ、より鮮度の高い多量のデータを地上に提供可能だという。
これら多様で大量のデータは、日々のモニタリングによる観察情報だけでなく、世界中で激甚化、頻発化する水害や森林火災などの自然災害などにおいて、災害発生からの救済活動、減災のためのデータとしても有効になると考えられ、宇宙航空研究開発機構(JAXA)などでも実証が進められている。
そこでワープスペースは、2024~2025年にユーザーが30分以内に衛星データを取得できる高速光通信網を構築する予定だという。
小型の合成開口レーダー(SAR)衛星を開発、運用するSynspectiveでは、2026年前後に30機の小型SAR衛星コンステレーションの構築を目指している。すでに、2機を運用しており、地球の地形や構造物などの衛星データの提供と、その他外部の多様なデータについて機械学習で必要な情報を抽出、目的に合わせて整理し、顧客の課題に対するソリューションを提供している。
両社は、光通信網を活用した際のデータ取得量や頻度を検証し、有用な検証結果が得られれば、観測衛星に光通信用の端末を載せるための技術検証を進めていく方針だとしている。