ニュース

太陽探査機「Solar Orbiter」、金星に接近し磁場を観測

2022.09.06 08:00

塚本直樹

facebook X(旧Twitter) line

 欧州宇宙機関(ESA)の探査機「Solar Orbiter」が9月3日に金星に接近し、磁場の観測を始める。

 Solar Orbiterは2020年に打ち上げられた太陽探査機で、主にコロナや太陽風、磁場の研究を目的としている。観測の際には太陽に接近するため、チタン製の耐熱シールドを搭載しているのも特徴だ。

 太陽に接近するために、金星の重力を利用して軌道を調整する。その最中に金星に6400kmの位置まで接近し、磁場を観測する。具体的には、金星の太陽に面した領域に存在する、巨大な弓状模様を測定する。

 金星に接近するのは、今回が3回目だ。2020年12月と2021年8月に行われたフライバイでは金星の太陽と反対側に、微弱な磁場が少なくとも30万kmまで広がっていることがわかった。

 今後10年間で8回金星に接近し、軌道を調整する。これまで未知の領域だった太陽の極域を観測することになる。

Solar Orbiter(出典:ESA)
Solar Orbiter(出典:ESA)

Related Articles