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シャープなど、低軌道衛星通信に対応のモビリティ向けアンテナを共同で開発

2025.07.30 14:45

UchuBizスタッフ

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 シャープは、地球低軌道(LEO)を周回する通信衛星に対応した、モビリティ向けの超小型・軽量というユーザー端末を共同で開発することに合意した。7月30日に発表した。

 三菱ケミカルや情報通信研究機構(NICT)、テックラボ(東京都多摩市)と共同で開発する。共同で開発するユーザー端末はLEO通信衛星に対応したアンテナやモデムなどの機能を統合したもの。

 シャープは、2023年にLEO衛星通信ユーザー端末の開発に着手。スマートフォンの開発で培った設計や通信技術を応用して小型(446mm×446mm×66mm)で軽量(約7kg)のモデルの開発を進めているところ。船舶などへの応用を目指して2025年度中の実用化に向けて取り組んでいる。

 今回はさらに小型で軽量なユーザー端末の開発にも着手する。熱伝導率が高く、軽量な複合材料を開発するとともに、放熱構造に優れた設計などから、現在開発中の端末の約10分の1以下となる大きさが200mm×200mm×30mm、重さが約1kgという小型化、軽量化を目指す。

 ドローンや自動車などモビリティへの搭載を実現することで山地や災害時の被災地の通信確保に加えて、位置情報のリアルタイム送信、自動運転への利用などLEO通信衛星の活用シーンを大きく広げると説明している。各社の役割は以下の通り。

  • シャープ=ユーザー端末の開発
  • 三菱ケミカル=排熱プレートに活用する軽量・高熱伝導率の新腹蔵材料の開発
  • NICT=排熱構造を含めた超小型・軽量化のためのアンテナ全体設計・シミュレーション
  • テックラボ=新素材の部材成形・加工

 現在、予定されてるものも含めた、主なLEO衛星通信サービスはSpace Exploration Technologies(SpaceX、「Starlink」)、Amazon(「Project Kuiper」)、AST SpaceMobile(Bluebird)、Eutelsat OneWeb。シャープは、共同で開発するユーザー端末について現時点でコンセプトモデルの段階であり、「さまざまな衛星との接続を検討」すると説明している。

端末を自動車に搭載したイメージ(出典:シャープ)
端末を自動車に搭載したイメージ(出典:シャープ)

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シャープ プレスリリース

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