ニュース

米国家偵察局、2年で200機以上の衛星を展開–スペースXの「スターシールド」も活用

2025.04.21 16:13

塚本直樹

facebook X(旧Twitter) line

 米国家偵察局(NRO)は米国時間4月20日の打ち上げで、わずか2年あまりで200機の衛星を軌道に投入した。海外メディアのSpaceNewsが報じている

 NROが4月20日に実施した「NROL-145」ミッションは、米カリフォルニア州のヴァンデンバーグ宇宙軍基地から、Space Exploration Technologies(SpaceX、スペースX)の「Falcon 9」(ファルコン9)ロケットで打ち上げられた。これは、NROの分散型衛星アーキテクチャの一環であり、SpaceXが製造した、政府機関専用の通信コンステレーションである高セキュリティ衛星「Starshild」が含まれている。

 NROの分散型衛星アーキテクチャでは少数の大型衛星ではなく、多数の小型衛星を使用してネットワークを構築する。これにより、より広範囲をカバーでき、敵の攻撃などへの耐性(レジリエンス)も高まる。現在NROは地上目標をリアルタイムに追跡可能な大規模ネットワークを展開中だ。

 今回の打ち上げは、米宇宙軍が「国家安全保障宇宙輸送(National Security Space Launch:NSSL)」の「フェーズ3/ライン1」プログラムのもとで、初めて実施したミッションだった。NROは「2025年も活発な打ち上げ年となる予定で、約12件のミッションが計画されている。その半数は分散型アーキテクチャの強化に特化したもので、この戦略的展開は2029年まで継続する見通しだ」と述べている。

(出典:NRO)
(出典:NRO)

関連情報
NROプレスリリース
SpaceNews

Related Articles