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韓国、廃坑を月探査の試験場に–探査ロボットを実証実験
韓国の地質資源研究院(KIGAM)は3月28日、江原道(カンウォンド)太白(テベク)市にある咸太(ハムテ)炭鉱のトンネル内で、月面探査車(ローバー)の試作機を用いた実証実験を実施した。困難な地形での走行、サンプル採取、リモートセンシング能力などをローバーが披露した。
太白市は韓国で最も標高が高く、「宇宙に最も近い都市」でもある。KIGAMは2月に同市と覚書を締結し、廃坑を宇宙資源融合実証団地に転換し、技術開発のための長期研究拠点として活用する計画。月面でのヘリウム3やレアメタルなど有用な資源を採掘するため、月での採掘システムを試験する世界初の試みになるという。
韓国メディアのPulseによると、KIGAMの宇宙資源探査利用センター長であるKim Kyeong-ja(キム・ギョンジャ)氏は「世界的な資源競争で勝つためには、韓国が独自に宇宙資源技術を開発する必要がある。これは複数の機関が連携し、国家的な力を集結する必要があるもので、1人の研究者や単一の機関で成し遂げられるものではない」と述べている。
韓国はすでに月を周回する探査機「Korea Pathfinder Lunar Orbiter(KPLO)」(愛称Danuri、タヌリ)を打ち上げている。韓国航空宇宙研究院(Korea Aerospace Research Institute:KARI)に代わって、宇宙機関として韓国航空宇宙庁(Korea AeroSpace Administration:KASA)を2024年に設立。2032年までに国産の月着陸船による初着陸を目指している。
