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インドの実験モジュール「POEM-4」、デブリ対策のため意図的に大気圏再突入–インド洋に落下

2025.04.08 16:05

塚本直樹

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 インド宇宙研究機関(ISRO)は現地時間4月4日、実験モジュール「POEM-4」が大気圏に再突入し、インド洋に落下したと発表した。

 POEM-4(PSLV Orbital Experimental Module 4)は、宇宙でのドッキング技術を実証する小型衛星「SpaDeX」とともに2023年12月にISROの「PSLV(Polar Satellite Launch Vehicle)」ロケットで打ち上げられた。POEM-4には合計24個のペイロードが搭載され、すべて期待どおりに動作し、貴重な科学データが得られたという。SpaDexもインド初となる自律宇宙ドッキングの実証実験に成功した

 ミッション終了後、ISROはPOEM-4が宇宙ゴミ(スペースデブリ)となることを防ぐため、意図的に大気圏に再突入させ、インド洋に落下させた。飛行管制チームは残留推進剤の放出で爆発や分解を回避したうえで、モジュールを海上に導いた。

 「『POEM-4』の安全な再突入は、宇宙ゴミの増加を抑えるというISROの取組の一環であり、宇宙環境の長期的な持続可能性や、『デブリフリー宇宙ミッション』に対するISROの主導的役割を改めて示す成果だ」とISROは述べている。

POEM-4の軌道(出典:ISRO)
POEM-4の軌道(出典:ISRO)

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ISRO発表
Space.com

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