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GMOインターネットグループ企業、宇宙でのサイバーセキュリティに進出–韓国の私大と提携
2025.03.26 11:30
GMOインターネットグループでサイバー攻撃対策事業を展開するGMOサイバーセキュリティ byイエラエは3月25日、韓国の慶熙(キョンヒ)大学 融合セキュリティ大学院との業務提携を発表した。2月12日に覚書を交わし、4月1日に具体的な連携内容を含む共同研究契約を締結する予定。
両者がこれまで培ってきたIoTやドローンなどのサイバーセキュリティの専門知識を人工衛星や地上設備の通信網などを含む宇宙システムに展開し、宇宙システムへのサイバー攻撃リスクの解明と対策技術開発に向けた共同研究や共同発表などの取り組みを進めていく。
従来のITシステムやIoT製品などと同様に、宇宙システムでも人工衛星へのハッキングや情報詐取といったサイバー攻撃が確認されており、その安全性に対する懸念が高まっていると説明。米国をはじめとした海外では、宇宙システムのサイバーセキュリティ対策について、産官学での議論や取り組みが活発になっているという。
このような状況を受け止め、GMOサイバーセキュリティ byイエラエはネットワークやアプリケーション、IoT、クラウドなど幅広い分野でセキュリティ診断と対策の立案を支援してきた実績と知見を生かして、宇宙空間でもユーザーが安全安心にサービスを利用できる環境を構築できるように宇宙サイバーセキュリティ分野に事業領域を拡大したと説明する。
慶熙大学の融合セキュリティ大学院は、ハッキングセキュリティの教授であるDaehee Jang氏のもと、Capture The Flag(CTF)で数々の優勝経験があるという。国際ドローンハッキング大会(HackTheDrone)の問題を開発するなど優秀なホワイトハッカーが数多く在籍し、ドローンシステムセキュリティの研究や教育を主導してきたと説明。近年では、無人移動体セキュリティの知見を生かし、人工衛星セキュリティに研究教育領域を拡大しているという。
2024年に国際ドローンハッキング大会(「HackTheDrone 2024」決勝)でGMOサイバーセキュリティ byイエラエが世界1位を獲得したことをきっかけに両者は交流を深め、2025年には、両者のIoTやドローン分野でのサイバーセキュリティの専門知識を集結し、宇宙セキュリティ領域でのシナジーを創出するため、今回の業務提携に至ったと解説している。
慶熙大学は1949年に設立された、ソウル市に本部を置く私立大学。その大学院の一つである融合セキュリティ大学院は、韓国の科学技術情報通信部と情報通信企画評価院(IITP)の「情報通信放送革新人材醸成事業」に選定され、無人移動体システムのハッキングやセキュリティに特化して集中的に教育、研究するために2023年に新設された特殊大学院という。
同大学院は、無人移動体技術と情報セキュリティ技術を融合した教育や研究を通じて、世界トップ10の融合セキュリティ教育機関となることを目指しており、「情報セキュリティ」「無人移動体」「無線通信」「AI・ビジョン」の4つの中核技術分野を重点的に扱っている。
