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スペースX、初の極軌道有人飛行「フラム2号」準備完了–打ち上げ目標日は3月31日

2025.03.26 08:00

塚本直樹

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 米Space Exploration Technologies(SpaceX、スペースX)は地球の極地上空を飛行するミッション「Fram2」(フラム2号)に向けて、宇宙船「Crew Dragon」(クルードラゴン)Resilience(レジリエンス)号が到着したと発表した。

 Fram2は宇宙から地球の極地を探査する史上初のミッション。その名前は、かつて北極圏と南極圏を探検したノルウェーの探検船「Fram」(フラム号)に由来している。

 3〜5日間のミッションで高度425〜450kmから地球の極地を観測する。通常のオーロラとは色や持続時間、観測できる場所などが異なるという「STEVE」と呼ばれる大気の発光現象も調査する予定。宇宙飛行が人体にどのような影響を耐えるかの研究も行う予定だ。

 ミッションには4人の宇宙飛行士が参加する。ミッションのコマンダー(船長)はマルタの実業家のChun Wang(チュン・ワン)氏で、機体の船長はノルウェーのJannicke Mikkelsen(ヤニッケ・ミケルセン)氏、パイロット(操縦士)はオーストラリアのEric Philips(エリック・フィリップス)氏、ミッションスペシャリストはドイツのRabea Rogge(ラベア・ロッゲ)氏だ。4人全員が初の宇宙飛行となる。

 4人のクルーはカリフォルニア州のSpaceXの施設で訓練を完了し、3月31日以降にケネディ宇宙センターから打ち上げられる予定だ。現在は、ロケット「Falcon 9」(ファルコン9)とResilience号の結合作業が進められている。

 Fram2は、SpaceXにとって7回目の民間宇宙飛行ミッションであり、Resilience号にとっては4回目の飛行となる。

 Resilience号はこれまで、国際宇宙ステーション(ISS)に宇宙飛行士を送迎するミッションである(Crew Dragonにとっては有人飛行の実運用の第1回となる)「Crew-1」に加えて、今回のFram2と同じように、民間人による宇宙飛行「Polaris」計画の第1弾であり、史上初となる民間人による宇宙遊泳(EVA)が実施されたミッション「Polaris Dawn」ミッションを担当した実績がある。

(左から)Eric Philips氏、Chun Wang氏、Rabea Rogge氏、Jannicke Mikkelsen氏(出典:SpaceX)
(左から)Eric Philips氏、Chun Wang氏、Rabea Rogge氏、Jannicke Mikkelsen氏(出典:SpaceX)

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