アルテミス3号でスターシップはいかにして宇宙飛行士を月に運ぶのか--イメージ図が公開

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アルテミス3号でスターシップはいかにして宇宙飛行士を月に運ぶのか–イメージ図が公開

2024.11.22 17:15

塚本直樹

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 Space Exploration Technologies(SpaceX、スペースX)と米航空宇宙局(NASA)による、月探査に活用される有人着陸システム(Human Landing System:HLS)のイメージ図が米国時間11月20日に公開された。

 NASAは、2026年9月に予定している「Artemis III(アルテミス3)」ミッションで月の南極に宇宙飛行士を送り込む。ミッションには、SpaceXが開発している次世代ロケット「Starship」(スターシップ)をベースとしたHLSが使用される。

NASAとSpaceXが共同で開発しているHLS版Starship。高さは約50m。HLS版StarshipはArtemis IIIとArtemis IVで活用される予定(出典:SpaceX)
NASAとSpaceXが共同で開発しているHLS版Starship。高さは約50m。HLS版StarshipはArtemis IIIとArtemis IVで活用される予定(出典:SpaceX)

 Artemis IIIでは、宇宙飛行士を乗せた宇宙船「Orion」(オライオン)は巨大ロケット「Space Launch System(SLS)」で打ち上げられ、月周回軌道上でHLSとドッキング。宇宙飛行士はOrionからHLSに移動し、月面に降り立つ。宇宙飛行士は、Axiom Space(アクシオム・スペース)が開発する宇宙服を着用する

HLS版StarshipにドッキングするOrion(出典:SpaceX)
HLS版StarshipにドッキングするOrion(出典:SpaceX)

 HLSには月面着陸ミッションのための重い機器を運ぶ必要があるため、地球からの打ち上げで大量の燃料を消費する。そのため、HLSに燃料を運ぶためのStarshipが打ち上げられる。燃料を輸送するStarshipは窓がなく、機体にフィンが備え付けられているなど、その外観が異なる。

上のHLS版Starshipに燃料を移送するStarship。燃料を満タンにしてからHLS版Starshipは月に向かう。燃料輸送用StarshipはOrion打ち上げ前に打ち上げられる。燃料輸送用は大気圏に再突入するためにフィンが付けられていると考えられる(出典:SpaceX)
上のHLS版Starshipに燃料を移送するStarship。燃料を満タンにしてからHLS版Starshipは月に向かう。燃料輸送用StarshipはOrion打ち上げ前に打ち上げられる。燃料輸送用は大気圏に再突入するためにフィンが付けられていると考えられる(出典:SpaceX)

 Artemis IIIのミッションは、Orionの耐熱シールドの問題やStarshipの開発遅延からスケジュールが延期されている。Starshipは11月19日に6回目の試験飛行を実施しており、今後は打ち上げ回数を大幅に増やして開発を加速する予定だ。

 Artemis IIIの前にSpaceXは無人での月着陸ミッションを予定している。

HLS版Starshipの下部にあるエレベーターで月に降りる宇宙飛行士。エレベーターは貨物の輸送にも使われる(出典:SpaceX)
HLS版Starshipの下部にあるエレベーターで月に降りる宇宙飛行士。エレベーターは貨物の輸送にも使われる(出典:SpaceX)

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