アルテミス2号、緊急事態に備えた訓練--ハッチのドアを開閉

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アルテミス2号、緊急事態に備えた訓練–ハッチのドアを開閉

2024.10.29 17:00

塚本直樹

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 米航空宇宙局(NASA)などに所属する宇宙飛行士は、月探査計画「Artemis」の第2弾となる月周回ミッション「Artemis II」(アルテミス2号)での緊急事態を想定した訓練を実施した。

 Artemisで初の有人飛行となるArtemis IIでは、「Space Launch System(SLS)」ロケットで打ち上げられた宇宙船「Orion」(オリオン)が月を周回する軌道を飛行する。Artemis IIに搭乗する宇宙飛行士は2023年4月に発表された。打ち上げ時期は2025年9月が予定されている。Orionは米Lockheed Martinが開発している。

 Artemis IIに搭乗する宇宙飛行士はNASA所属の3人とカナダ宇宙庁(CSA)に所属する1人。訓練では、Orionの模型を使用して側面にあるハッチのドアの開閉を学んだ。通常時は手動のギアボックスで開くことができるが、緊急時はハッチのラッチピンを即時に解除できる、爆薬による開放機構が使用される。

 NASAによれば、宇宙飛行士がOrionに乗り込む際には地上システムのチームがハッチを閉じ、地球への帰還時には回収チームがハッチを開けるため、宇宙飛行士がハッチに触れることはないという。

米コロラド州リトルトンにあるLockheed MartinのスペースキャンパスでOrionのハッチのラッチハンドルを操作するVictor Glover氏。同氏はArtemis IIでパイロット(操縦士)を務める(出典:Lockheed Martin)
米コロラド州リトルトンにあるLockheed MartinのスペースキャンパスでOrionのハッチのラッチハンドルを操作するVictor Glover氏。同氏はArtemis IIでパイロット(操縦士)を務める(出典:Lockheed Martin)

関連情報
Lockheed Martinプレスリリース
NASAプレスリリース
Artemis II

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