JAXAの「宇宙戦略基金」、最初の採択結果を発表--ロケット軽量化技術でニコンなど採択

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JAXAの「宇宙戦略基金」、最初の採択結果を発表–ロケット軽量化技術でニコンなど採択

2024.10.25 15:11

UchuBizスタッフ

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 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は10月25日、「宇宙戦略基金」事業で公募している「宇宙輸送機の革新的な軽量・高性能化及びコスト低減技術」の採択結果を発表した。3月末に基金を造成し、7月に公募を開始していた。JAXAにとって異例とも言えるスピードで動いているとみることができる。

 今回発表されたのは(1)「宇宙用途に適用可能な精密部品を対象とした金属3D積層に係る装置開発及び基盤技術開発」と(2)「ロケット用大型構造部品を対象とした金属3D積層に係る基盤技術開発」――の2つ。

 (1)ではニコンが「将来ロケットへ搭載可能な大型精密部品への金属3D積層技術の確立」、(2)では、清水建設が「金属3D積層によるロケット用大型液体推進薬タンクの製造技術開発」、三菱重工業が「WAAM(Wire-Arc Additive Manufacturing)を用いた軽量かつ低コストな大型極低温推進薬タンクの製造技術研究」で選ばれた。

 宇宙戦略基金は、「輸送」「衛星」「探査」の3分野で民間企業や大学などが最大10年間、技術開発に取り組めるようにJAXAが支援する基金。事業規模は1兆円。2024年度からスタートした第1期では合計で3000億円、うち総務省が240億円、文部科学省が1500億円、経済産業省1260億円を提供する。

 技術テーマは22あり、ほかのテーマについては順次採択結果を公表する予定。審査は、JAXA外部の有識者で構成される第三者の審査会が審査している。

関連情報
JAXAプレスリリース
宇宙戦略基金ウェブサイト

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