米田氏と諏訪氏、宇宙飛行士に正式認定--今後はジョンソン宇宙センターが拠点

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米田氏と諏訪氏、宇宙飛行士に正式認定–今後はジョンソン宇宙センターが拠点

2024.10.22 17:35

UchuBizスタッフ

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 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、宇宙飛行士候補者の米田あゆ氏と諏訪理氏を正式に宇宙飛行士として10月21日付で認定した。10月22日に発表した。

 2人は、国際宇宙ステーション(ISS)に加えて、月周回有人拠点「Gateway」など月面での活動などさまざまなミッションに向けたすべての基礎訓練を終了し、審査委員会の審査を受けて認定された。今後は、米航空宇宙局(NASA)のジョンソン宇宙センターを拠点に日本を含む各国での訓練に参加する。

米田あゆ氏(右)と諏訪理氏(左) 出典:JAXA

 1995年生まれの米田氏は2019年3月に東京大学 医学部医学科を卒業し、同年4月から同大学 医学部附属病院に勤務。2021年4月から日本赤十字社医療センターに勤務、2022年10月から虎の門病院に派遣。2023年4月からJAXAに入構し、宇宙飛行士候補者として基礎訓練を開始した。

 1977年生まれの諏訪氏は2007年にプリンストン大学 大学院地球科学研究科を修了、2008年1月から青年海外協力隊でルワンダ国に派遣。2010年11月から国際連合の世界気象機関(WMO)に入社。2014年3月に世界銀行に入社して2023年6月に世界銀行を退社した。2023年7月からJAXAに入構し、宇宙飛行士候補者として基礎訓練を開始した。

 JAXA 有人宇宙技術部門 宇宙飛行士運用技術ユニット 宇宙飛行士グループ長である金井宣茂氏は以下のようなメッセージを2人に寄せている。

 「宇宙飛行士としての認定おめでとうございます! 基礎訓練でのおふたりの努力を間近で見てきたので、本当に嬉しく思います。宇宙飛行士としてのキャリアは、ここからスタートです。身に着けた知識や技能をさらに磨き、さまざまな地上業務を経験したり新しい訓練を重ねたりすることで、自分だけの強みや個性を伸ばしてくださることを期待しています。一緒に新しい時代の有人宇宙開発を切り拓いていきましょう」

 米航空宇宙局(NASA)が主導する月探査計画「Artemis」に日本人宇宙飛行士2人が参加することが4月に発表された。米田氏や諏訪氏を含む日本人宇宙飛行士7人のうち2人が月に降り立つことができる。

シミュレーターで航空機の操縦訓練に挑む
シミュレーターで航空機の操縦訓練に挑む(出典:ANAホールディングス)

 宇宙飛行士候補者に帯する基礎訓練は、宇宙飛行士として必要となる基本的な知識や技量の修得を目的。候補者の所属国が実施するものである。基礎訓練は、ISSに参加する日米のほかカナダ、欧州諸国、ロシアの宇宙機関が合意した訓練要求にもとづいて実施される。大別すると以下の4つの分野で構成される。

  • 宇宙飛行士として必要な工学や宇宙機の概要などの知識(イントロダクション)を修得する訓練
  • 軌道上ででのさまざまな宇宙実験に必要な科学関連の知識を修得する訓練
  • ISSや日本実験棟「きぼう」日本実験棟のシステムの概要を修得する訓練
  • 宇宙飛行士に必要な一般サバイバル技術や飛行機操縦、泳力、語学、体力などスキルの習得や維持向上を目的にした基礎能力訓練

関連情報
JAXAプレスリリース

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