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【画像】宇宙飛行士候補の諏訪さん・米田さんが筋トレ–「立ち泳ぎしながら語学学習」の訓練エピソードも

2024.02.01 09:21

小口貴宏(編集部)

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 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は1月31日、14年ぶりの宇宙飛行士候補となった米田あゆさん、諏訪理さんの基礎訓練の模様を公開した。訓練が終了する11月以降、審査のうえ2人は正式に宇宙飛行士として認定される。

宇宙飛行士候補の基礎訓練とは

 基礎訓練では、宇宙飛行士候補者に必要な心構えや、科学・工学的な知識、基礎的な技能の習得を目指している。

 訓練は2023年4月に開始され、これまでに国際宇宙ステーション(ISS)の運用に用いる英語とロシア語、超小型衛星のトレーニングキットを用いた基礎工学、運用管制、小型軽飛行機の操縦、水泳、栄養管理などを学んできた。

 そして今回公開されたのは、宇宙での長期滞在を見据えた体力レベル向上を図る訓練だ。トレーナー付き添いのもと、筋力や循環器能力の向上のためのトレーニングを実施した。

 筋力トレーニングは週に2〜3回、1回2時間実施しているという。なお、これ以外の基礎訓練は「基本的な知識を学ぶ座学」(JAXA)が大半を占める。

 今後の基礎訓練では、将来の月惑星探査を見据え、地質学に関する基礎知識や地質巡察について学ぶほか、 ミッション時に起こり得る一般的なサバイバル技術、リーダーシップやコンフリクトマネジメント、さらには状況把握など、宇宙飛行士に必要なHBP(Human Behavior and Performance)能力などを学ぶ。

 また、無重量状態を再現したパラボリックフライトや、低圧・低酸素環境、急減圧も体験することになる。

「立ち泳ぎしながらロシア語で会話も」

 米田さんと諏訪さんは訓練後、メディアの囲み取材に応じた。ブルースーツ姿をメディア向けに披露するのも今回が初めてとなった。

 1月20日に日本初、そして世界で5カ国目の月面軟着陸に成功した小型月着陸実証機「SLIM」について米田さんは「ライブ中継をドキドキ固唾をのんで見守っていた」と述べた。諏訪さんは「どうなったんだという瞬間はあった」としつつ「途中から機械を見るというより擬人化して見ていた」「最終的には電力も復活して良かった」と述べた。

 また、2人は水泳訓練時のエピソードも紹介した。着衣で10分間立ち泳ぎをする訓練で、体力的なしんどさを紛らそうと、またついでに語学の練習にもなるということで、2人で英語やロシア語で10分間会話しながら泳ぎ続けたという。前述の通りISSの運用には英語とロシア語が用いられている。

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