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ISSへの無人補給船「シグナス」、打ち上げ–燃焼中止も到着目標時間は変わらず
米Space Exploration Technologies(SpaceX)は米国時間8月4日、「Falcon 9」ロケットで無人補給船「Cygnus」(シグナス)を打ち上げた。
「NG-21」と呼ばれる今回のミッションは、米Northrop Grumman(旧Orbital ATK)のCygnusによる21回目の国際宇宙ステーション(ISS)へのミッションとなる。内部にはさまざまな科学機器を含む3720kgの貨物が搭載されている。
米フロリダ州のケープカナベラル宇宙軍基地から打ち上げられたFalcon 9は、15分後にCygnusを地球低軌道に投入。しかし、エンジンの燃焼シーケンスの開始が遅れ、操作が中止された。もともとCygnusは8月6日にISSに到着する予定だが、現時点ではその目標は変更されていない。
今回の打ち上げミッションでは、教育を目的とした2機の超小型衛星打ち上げプログラム「ElaNa」も、ISSに運ばれる。その他にも、DNA修復への影響を研究する「Rotifer-B2」や人工肝臓組織に関する研究「MVP Cell-07」が予定されている。
今回のNG-21は、米航空宇宙局(NASA)がISSへの貨物や物資の輸送を民間企業に委託する「商業物資輸送サービス」(Commercial Resupply Services:CRS)の第2フェーズ(CRS-2)の一環。今回のCygnusはCRS-2では10回目のミッションとなる。
CRS-2に活用される無人補給船はNorthrop GrummanのCygnusとSpaceXの「Cargo Dragon」。ISSへの物資輸送にはロシアの「Progress」も活用される。CygnusとProgressは使い捨てであり、ミッションが使用すると大気圏に再突入して、燃え尽きる(Cargo Dragonは再利用される)。
NG-21のCygnusは「S.S. Francis R. “Dick” Scobee」と名付けられた。NASAの宇宙飛行士であり、1986年1月のスペースシャトル「チャレンジャー」(ミッション「STS-51-L」)で命を落としたScobee氏にちなんだ。
関連情報
NASA発表
Northrop Grummanニュースリリース
NG-21ミッション概要(Northrop Grumman)
CRS概要(NASA)