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NASAの火星サンプルリターン、回収手段の効率化を民間企業が研究中
米航空宇宙局(NASA)は火星からの試料(サンプル)を地球に持ち帰る「火星サンプルリターン計画(Mars Sample Return:MSR)」を進めているが、最大110億ドルのコストがかかり、2040年までサンプルを帰還させることができないと判断した。NASAは、回収する手段を研究するために民間企業7社を6月に選定した。
MSRは、火星で稼働している探査車(ローバー)「Perseverance」が集めた火星のサンプルを着陸機(ランダー)に搭載した上昇機(アセンダー)で打ち上げ、周回機(オービター)経由で地球に持ち帰るというもの。これまでは、アセンダーとして火星からサンプルを打ち上げるロケット(Mars Ascent Vehicle:MAV)が複雑性とコスト増加をもたらす要因のひとつとみられている。
NASAに選定された7社のうち3社が進めている計画の一部が明らかなった。
海外メディアのSpaceNewsによると、NASAのチーフサイエンティストだったJim Green氏は、「(MSRの)構想は高価すぎるので、これを改善する方法をNASAは求めている」と語った。Northrop Grummanはサンプルを打ち上げるアセンダーについて、「小型に最適化する方法を研究するつもり」という。
月周回軌道で運用可能な宇宙船を開発しているQuantum Spaceは、火星軌道上に置かれたサンプル容器を回収し、地球に持ち帰る地球帰還軌道船(Earth Return Orbiter:ERO)を簡素化する方法を検討している。Lockheed Martinは、MSRの全体的な設計をより簡素化することを検討しているという。
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SpaceNews