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欧州の大型X線宇宙望遠鏡「Athena」、予算削減で規模縮小が検討か
2022.08.09 14:37
欧州の大型X線宇宙望遠鏡ミッション「Athena(Advanced Telescope for High-Energy Astrophysics)」の計画が予算削減のために規模が縮小される可能性を、海外宇宙メディアのSpaceNewsが報じている。
Athenaは2014年に選定されたプロジェクトで、地球と太陽の間の重力が発生しない「ラグランジュポイント2(L2)」でX線放射を計測し、超大型ブラックホールや銀河団の形成、超新星爆発などを研究する予定だ。打ち上げは2030年代半ばが予定されている。
しかし、開発コストが11億7000万ユーロ(約1600億円)から19億ユーロ(約2600億円)へと上昇したことで、欧州宇宙機関(ESA)の加盟国の多くがプロジェクトから撤退。これにより、宇宙望遠鏡の設計を縮小する方法が検討されている。
現時点では、ESAはAthenaのプロジェクトの中止は検討していないという。その代わり、13億ユーロ(約1800億円)以下の新たなミッション「NewAthena」が検討されており、搭載する計測機器の構成とミッションの目標が変更される可能性があるとしている。