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Space Quarters、1.6億円を調達–宇宙で建材を溶接して、大型構造物を構築
2024.06.05 08:30
東北大学発スタートアップ企業のSpace Quarters(東京都千代田区)は6月3日、エンジェルラウンドとして第三者割当増資で1.6億円超を調達したことを発表した。個人4人と企業2社が引き受けた。
Space Quartersは「宇宙建築技術を確立し、人類の宇宙進出を加速させる」ことをミッションに、軌道上や月面でのインフラとなる大型構造物を構築する宇宙建築システムを開発しているという。
宇宙でのインフラとなる大型構造物を実現するためには、地上から完成体を輸送する従来のプロセスでは、構造物のサイズや形状がロケットの積載サイズ、打ち上げ時の振動や加速による破損リスクから、大きな制約を受けることになる。
こうした課題に対して、同社は完成した構造体を打ち上げるのではなく、建材を打ち上げ、独自開発の溶接ロボットシステムで軌道上や月面で組み立てることで、これまで人類が作れなかった大型で高付加価値の宇宙インフラを圧倒的低コストで実現しようとしている。
同社は2022年6月創業以来、事業の軸となるロボットシステムと電子ビーム溶接機の開発を進め、スカパーJSATや宇宙航空研究開発機構(JAXA)など複数からプロジェクトを受注している。
受注したプロジェクトを受託しながら、宇宙建築ロボットシステムの設計と要素技術の概念実証(PoC)を進めてきたと同社は説明。地上での宇宙模擬環境での実証試験の完了、そして宇宙での溶接組立実証の実施と正式なサービスローンチに向けた開発を加速させるため、今回の資金調達を実施したと解説する。
資金使途として、開発チームの強化、試験設備の導入や改修、宇宙向け小型省エネの電子ビーム溶接機の改良を想定するとしている。引き受けたのは以下の通り。
- 木村真也氏(JMDC創業者)
- 三浦高貴氏(プロキシマ・ケンタウリ代表)
- レアゾン・ホールディングス
- 慶應イノベーション・イニシアティブ(慶應義塾大学ベンチャーキャピタル)
- 長谷部潤氏(コロプラ元最高財務責任者=CFO)
- 尾崎典明氏(S-factory代表)