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ガニメデ・エウロパの「水」いよいよ実態調査へ–探査機JUICEの「氷を貫くレーダー」30年代始動
2024.04.30 07:30
欧州宇宙機関(ESA)が主導する「木星氷衛星探査計画」(JUpiter ICy moons Explorer:JUICE)で活用する観測機器「RIME」の詳細が、研究者により明かされた。
JUICEは宇宙航空研究開発機構(JAXA)や米航空宇宙局(NASA)も参加する国際協力ミッション。探査機のJUICEは2023年4月に打ち上げられた。
JUICEは、表面の下に水や氷があると考えられている木星の衛星「ガニメデ」「エウロパ」「カリスト」「イオ」を2031年から探査する。2023年6月には、搭載した観測機器の展開を完了した。
JUICEは衛星の上空から、氷を貫くレーダーであるRIME(Radar for Icy Moon Exploration)で氷の下にある海を探査する。RIMEは約9kmまでの地下構造の探査が可能で、太陽系最大の衛星であるガニメデに生命が存在しうる可能性を調査する。
ローマ・トレ大学のElena Pettinelli氏は、「探査機の情報を利用することで、太陽系内の液体の水の分布の理解を深められる」と語っている。「20〜30年前に考えられていたよりも、はるかに多くの水が存在している」とも述べた。
JUICEは2024年8月に、月-地球間で重力アシストによるマヌーバを実施する。2031年から木星の衛星への接近飛行を開始し、2034年にガニメデの周回軌道に到着する。