米ロ衛星のニアミス、実際は10m未満--大量デブリが発生、人命を危険にさらす可能性も

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米ロ衛星ニアミス、実際は「10メートル未満」だった–衝突なら大量デブリ発生、人命にも影響

2024.04.23 07:30

塚本直樹

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 米航空宇宙局(NASA)の衛星とロシアの衛星が、当初報告されていたよりも近い距離で異常接近(ニアミス)していたことがNASAから報告されている。海外メディアのSpace.comが報じている

 ニアミスは2月に発生。NASAが2001年に打ち上げ、現在も稼働中の大気圏観測衛星「TIMED(Thermosphere Ionosphere Mesosphere Energetics and Dynamics)」(重量587kg)とロシアの(1992年に打ち上げ、運用は終了したとみられている)偵察衛星「Cosmos 2221」(重量2t)がニアミスした。

 衛星情報を公開しているLeoLabsがこれまで公開していた情報によれば、両衛星は20m未満の距離まで接近したものの、衝突は起きなかった。しかし、NASA副長官のPam Melroy氏は米国時間4月9日、「最新の分析により、2機の衛星は10m未満にまで接近していたことが判明した」と発言。「個人的にもNASAにとっても、この事実は非常に衝撃的だった」と述べた。

 Melroy氏は、「もし2つの衛星が衝突していたら、大量のデブリが発生していただろう。小さな破片が時速数万マイルで飛行し、別の宇宙機に穴を開け、人命を危険にさらす可能性があった」と述べている。

地球を観測するTIMEDのイメージ(出典:Johns Hopkins APL / Steve Gribben)
地球を観測するTIMEDのイメージ(出典:Johns Hopkins APL / Steve Gribben)

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Space.com

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