ニュース
火星ヘリコプター「インジェニュイティ」、運用終了–運用チームが別れを告げる
2024.04.18 13:30
ジェット推進研究所(JPL)の火星ヘリコプター「Ingenuity」(インジェニュイティ)運用チームは米国時間4月16日、飛行を終了したIngenuityの運用終了を確認した。
Ingenuityは探査車(ローバー)「Perseverance」(パーサヴィアランス)とともに2020年に打ち上げられ、火星で飛行技術の実証実験を実施していた。2024年1月に、ローターが破損したことで飛行が不可能となり、ミッションの終了が発表されていた。
火星の地上で静止状態にあるIngenuityは、Perseveranceが通信範囲外に移動するため、今後は通信ができなくなる。NASAの深宇宙ネットワーク(Deep Space Network:DSN)を通じて収集されたデータは、ミッションチームがIngenuityの運用に協力する最後の時となった。
Ingenuityは今後、移動しない探査拠点として、将来の火星探査に役立つデータを収集することになる。JPLでチームリーダーを務めるJosh Anderson氏は「Ingenuityは火星の夜を穏やかに迎えることはない」と語っている。
Ingenuityは当初、最大5回の飛行ミッションが設定されていたが、最終的には72回もの飛行ミッションを達成し、火星で3年近く稼働を続けた。累計で約129分間、約17.7kmを飛行したことになる。
関連情報
JPLニュースリリース