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スペースコロニーの研究開発でJAXA有人宇宙技術の伊藤剛氏を執行役員に–スペースデータ
2024.04.05 13:18
スペースデータ(東京都渋谷区)は4月5日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の有人宇宙技術部門に勤務していた伊藤剛氏が同社の執行役員に就任したことを発表した。
同社は、国土交通省が主導する3D都市モデルの整備・活用・オープンデータ化プロジェクト「PLATEAU」で「高精度デジタルツイン自動生成」、宇宙環境をデジタル空間に再現する「宇宙デジタルツイン」などを開発。2023年5月にはスペースコロニーの実現に向けた課題解決などに取り組む研究組織「スペースコロニーラボ」を設立した。
人類が宇宙で活動領域を拡大させていく中で必要になるのは居住施設とインフラ設備と同社は説明する。数百人という単位で宇宙で業務に従事、生活するためには空気や水、エネルギー、食糧、通信、物流など統合された全体システムとしてのスペースコロニー設計が必要になるとみている。
同社はデジタルツイン技術などを活用して、スペースコロニーのハードウェアとしての全体設計とソフトウェアの研究開発を進めているという。スペースコロニーは将来的に巨大な宇宙都市となるが、まずは短期間で最小モデルを実現させ、成功モデルを確立したうえでリソースを大規模に投入して拡張させていくことが合理的と同社は考えている。
そうした狙いから、伊藤氏を執行役員として迎え、スペースコロニーの実現に向けた研究開発に取り組んでいく。拡張性のある宇宙都市の最小モデルを設計するために、伊藤氏がこれまで培ってきた宇宙ステーションの知見をベースに、スペースコロニー構想を打ち立てる計画としている。
伊藤氏は、東京大学 大学院 工学系研究科 精密機械工学専攻 修士課程修了後、1997年、宇宙開発事業団(現JAXA)に入社。同年から20年以上、国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」プロジェクトに従事。日本にとって初めてとなる有人宇宙施設である「きぼう」の各種機器の開発、米航空宇宙局(NASA)との調整、全体システムインテグレーション、運用準備を担当してきた。
2008年の「きぼう」打ち上げ以降はフライトディレクターとして「きぼう」の運用管制を指揮。2012年から「きぼう」の実験装置開発、将来の有人探査に向けた技術研究を統括。2021年から宇宙の商業利用時代に向けた新規装置類の開発や民間利用を推進するプロセスの整備に従事している。
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